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業務の効率化や人件費削減などの理由から、現在は大半の大学図書館が業務委託を採用しています。このページでは大学図書館での業務委託について説明します。
業務委託とは、特定の業務・あるいはすべての業務を外部の企業や担当者に委ねることです。大学図書館の業務委託では、図書館の規模やスタッフ人数、業務委託の仕様や範囲などによって必要な費用が異なります。
大学図書館の業務委託の背景には、以下のような点があげられます。
・少子化に伴う入学者数や図書館利用者の減少により、業務の効率化が求められる。
・大学の専任職員退職者や派遣職員などの採用に手間がかかる。
・大学職員の部署異動などにより、図書館に精通した専任職員が育ちにくい。
・大学全体の人件費削減により、図書館運営に必要な人数の専任職員が確保できない。
業務委託のメリットとデメリットは、以下になります。
業務委託では外部企業が業務を行うため、委託した業務について詳細な業務マニュアルが企業によって作成されます。作成された業務マニュアルは業務内容の変更などによって適宜、追加・改定されていきます。
業務委託を採用している多くの大学図書館では、月例会議などにより業務報告が行われます。月次報告資料や年間報告資料が作成されるため、委託した業務の利用状況が件数などのデータとして可視化されます。
業務委託で入る企業は委託契約の継続をのぞむため、報告資料の作成にとどまらず、業務分析による適切な図書館運営や新たなサービスを提案してくれます。それに伴い、学生や教職員など利用者の満足度が向上します。
仕様にあわせて委託業務が行われるため業務内容は詳細にマニュアル化されますが、フレキシブルに誰でも容易に業務が行えるようになるため、委託スタッフの交代も容易になってしまい、スタッフの異動や退職が頻発してしまうことがあります。業務委託によって図書館サービスの安定供給に対して問題は発生しませんが、図書館スタッフの定着や継続という点では難しいかもしれません。
また、委託側は業務を継続し効率化していくため、大学に対して委託経費の値上げを求めてくることがあります。毎年のように上昇している最低賃金のベースアップなどもあり委託側は経費の増額を要求しますが、大学側も予算の都合があり、業務委託と大学との間で温度差や行き違いが生じてしまうケースも見られます。
時代によって変化する大学図書館に求められる機能と役割。自館の「課題」と「ビジョン」とともに進化できる、変化に強い図書館システムを選びましょう。
図書館の種類によって利用者の求めるサービスや情報の範囲が異なります。例えば、公共図書館では貸出・返却処理の効率化が重要であり、大学図書館では学術的な検索機能やリポジトリ管理が求められます。
適切な図書館システムを選ぶことは、図書館の運営効率化だけでなく、利用者の満足度向上や継続利用につながります。
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