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図書館システムの歴史を、年代ごとに振り返ります。
文字情報を扱うコンピューターが発売されたのがこの年代です。それにより、図書館が目録カードを作成する方法を研究し始めたと言います。
その研究が世界中で進んだことには、以下のような理由がありました。
図書が出版されると、その図書を購入した世界中の図書館は、ほぼ同じような目録カードを作成する。100館 の図書館があれば、100人の目録担当者が目録カードを作成する。目録規則に従って目録作業が行われるため、誰が作成しても殆ど 同じ目録になる。もし、最初の目録担当者が最初の1枚を作成し、それを共有できれば、残りの99人は目録作業が効率化される。
1970年代も、アメリカ議会図書館によって目録データのフォーマットが確立されましたが、日本では、日本語辞書の構築に苦労している時代です。
蔵書管理システムというより、貸出システムとしての色が濃く、またハード自体がとても高価だったため、図書館システムはまだまだ普及というには程遠かったそうです。
1981年には筑波大学付属図書館が図書館員の手によって、本格的な図書館システムの構築に成功。
1984年には学術情報センター(現:国立情報学研究所)が誕生。その役割は以下ですが、当時は和書、洋書の共通フォーマットを開発、また全国の大学図書館を連携するためのネットワークを開発するなど、大学の図書館システムは大きな進化を遂げていきます。
大学共同利用機関として、学術情報ネットワーク(SINET5)をはじめ、学術コミュニティー全体の研究や教育活動に不可欠な学術情報基盤の構築・運用に取り組むとともに、学術コンテンツやサービスプラットフォームの提供などの事業を展開・発展させています。
インターネットが普及し、図書館システムもクラウド(SaaS型)が登場します。検索方法にも変化が生まれ、各図書館の図書の検索(OPAC)を遠隔から利用できるようにもなります。
ただし、ウイルス対策やセキュリティ対策など、新たな課題も生まれました。
とくに、2010年に起こった岡崎市立図書館のLibrahack事件では、図書館側のシステム(三菱電機製であった)の不具合が問題だったことが報道されると、多くの図書館も肝を冷やしたことでしょう。
電子書籍の発達は、図書館にも大きな変革をもたらします。図書館に所蔵できる限界がなくなる、物量による制約を受けなくなります。
しかし、その電子データのネット送信までもが認められるようになると、図書館という箱だけではなく、出版システムにも変化が求められることでしょう。
図書館の種類によって利用者の求めるサービスや情報の範囲が異なります。例えば、公共図書館では貸出・返却処理の効率化が重要であり、大学図書館では学術的な検索機能やリポジトリ管理が求められます。
適切な図書館システムを選ぶことは、図書館の運営効率化だけでなく、利用者の満足度向上や継続利用につながります。
当サイトでは、図書館の種別ごとに人気システムを調査し、掲載していますので、導入の参考にしてください。