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大学図書館向け学術情報システムNACSIS-CATのシステムが一新されます。新システムは2023年から稼働予定と移行が迫っており、大学図書館はNACSIS-CAT/ILLの更新にあわせて図書館システムを対応させなければなりません。新NACSIS-CAT/ILLの変更点や図書館で必要な対応について紹介します。
NACSIS-CATとはオンライン共同分担目録方式により全国規模の総合目録データベース(図書/雑誌)を形成するためのシステムです。NACSIS-CATに登録すると自館のデータをダウンロード等の方法で受け取り、図書館システムの構築やOPACとして利用可能です。目録業務の省力化・標準的なデータ作成・典拠コントロールもできます。
NACSIS-ILLとは、図書館間で行われている相互貸借サービス(文献複写や資料現物の貸借の依頼及び受付)のメッセージのやりとりを電子化したシステムです。各図書館はNACSIS-ILLを使うことで最新のデータが利用でき、迅速に資料を提供できます。ILL文献複写等料金相殺サービスといった料金決済制度も利用できます。
近年、電子資料の普及により資料の流通・管理のあり方が大きく変貌しました。
電子資料の利用が当然とされる状況への対応が急務となり、新たなシステムが求められていました。
新NACSIS-CAT/ILLでは、メタデータの高度化に向けてRDA(Resource Description and Access)、日本目録規則 2018 年版のほか、米国議会図書館が主導するBIBFRAME等の新たな国際標準への対応が可能になります。
現在のNACSIS-CAT/ILLの機能は、すでに多くの機関が使用されているため、基本方針として参加機関が利用する図書館システムとの接続の継続性を確保することが、定められています。
基本的に図書館システム側の変更を伴わない移行を志しています。
新NACSIS-CAT/ILLは2021年度からシステムが導入され、2022年度末にデータ移行後、運用開始となります。
2022年度末のデータ移行・運用開始に向けて検証環境の公開、評価・フィードバックが行われますが、2022年度4~6月が図書館システムベンダー、2022年度7月~データ移行までは各参加館が対象となります。
RELATION機能の向上に伴い、システムへの実装⽅法の変更が発⽣する可能性があるため、調整が必要となります。
新NACSIS-CAT開始後、図書館システムで新たなデータベースが利⽤可能となるように、参照データセット名の変更及び検索語指定可能フィールド等の設定変更が必要です。
新NACSIS-CATではCATP1.1 スキーマバージョン2のサポートが中⼼となるため、CATP/1.1以前の古いシステムを利用している場合、スキーマバージョン2以降への対応について検討が必要となります。
新NACSIS-CAT開始以降の新規データについて、全データセット(図書書誌/所蔵、雑誌書誌/所蔵、典拠、参照データ)のプレフィックスの変更が行われるため、新NACSIS-CAT開始以降に使用している図書館システムで新たに付番されるIDが取り扱えるように対応する必要があります。
時代によって変化する大学図書館に求められる機能と役割。自館の「課題」と「ビジョン」とともに進化できる、変化に強い図書館システムを選びましょう。
図書館の種類によって利用者の求めるサービスや情報の範囲が異なります。例えば、公共図書館では貸出・返却処理の効率化が重要であり、大学図書館では学術的な検索機能やリポジトリ管理が求められます。
適切な図書館システムを選ぶことは、図書館の運営効率化だけでなく、利用者の満足度向上や継続利用につながります。
当サイトでは、図書館の種別ごとに人気システムを調査し、掲載していますので、導入の参考にしてください。